針のはなし4:LPレコードとレコード針の発展

前回の針のはなし3:ベルリーナのグラモフォンからさらに時代は進み、LP時代を迎えたレコードとレコード針についてお話しします。

レコードをかけかえるたびに針先交換しなくても、長時間レコードを長寿命針で楽々とリスニングできるようになった。

何枚ものレコードをかけかえることなく1枚のレコードで長時間演奏が楽しめるLPレコードの登場。

最初の円盤レコードは、70rpm、録音時間は片面2分。1900年代のシェラック盤全盛期に入っても、78rpmで4~5分程度しか録音時間は進歩しませんでした。
このため、シンフォニー1曲聴くためには何枚ものレコードを頻繁にかけかえねばなりませんでした。

レコード会社の技術者たちは、音溝を細くし、回転数を落して録音時間を長くできぬかとたえざる研究に情熱を燃し、1948年、ついにCBSコロンビア社から331/3rpmの30cm盤で片面最長25分の録音時間をもつLPレコードが発表されたのです。

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Von Ramon Vasconcellos – Eigenes Werk, CC BY-SA 2.5, Link

このレコードの完成の背景には……数グラムで微細な音溝をトレースできるカートリッジの出現や、表面が滑らかで雑音の少ない塩化ビニール材の改善、そしてカッティング原盤として硝化綿を原料としたSN比の良いラッカー盤の進歩などがありました。このLPレコードは従来のSP盤に比べ、SN比が向上、音質が良く、しかも長時間演奏。

多くの特長をもったLPレコードはその後、急速な発展をします。

微細な音溝を軽針圧でトレースする長寿命のスタイラスの開発

マイクログルーブと呼ばれる微細な音溝をもつLPレコード。

SPレコードと1インチ当たりの溝数を比べてみましょう。SPレコードが1インチにつき100本前後であるのに対し、LPレコードのそれは1インチにつき300本前後。いかに微細な音溝をLPレコードは持っているか判ります。

さて、この微細な音溝をトレースするには、針先の曲率半径を小さくしなければなりませんでした。そこで、LPレコードとともに針先球面半径の小さいスタイラスが開発されました。1ミル(※1)の針先球面半径を持つスタイラスがそれでした。(※2)

スタイラスが細くなれば針圧を軽くしなければなりません。軽針圧カートリッジがGE社から登場。10g前後でトレースできました。(1930年代の針圧は150gですから驚くべき進歩)

もちろん針先の材質も、演奏時間の長いLPでは耐久性の高い物が必要。宝石類がポピュラーに使われ始め、今日のスタイラスの基礎を築きました。


※1:1ミル=25.4ミクロン   ※2:SP用針は2.5ミル

レコード針のご説明はこちらのアダマンド並木精密のレコード針のページでもしております。

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